奏太はまっすぐ机に向かって、メガネ姿の勉強スタイル。


すぐそばのソファーには、気持ち良さそうにスヤスヤ眠る久間君の姿。



「昨日遅くまでバイトだったらしくて。終電逃したって言うから泊めたんだ」



小声でボソボソ話す奏太。



そっか。


バイトだったんだ。


終電逃すほど、いつも遅くまで働いてるの?


体とかキツくないのかな。


授業中時々寝ていたのは、バイトで疲れてたからなんだね。


本当にあたし、久間君のことを何も知らなかったんだな……。



「それより、何か用?」



「あ!うん。今杏と真美が来てるんだけど、奏太に会いたいって言うから」



「そっか、わかった。志帆の部屋で話して来るから、志帆は俺の部屋で晴斗といてあげて」



「え?」



「じゃあ」



ーーバタン



奏太はあたしの返事を聞かずにさっさと行ってしまった。