「はぁ」 トイレの個室に入った瞬間、出たのは大きなため息。 心臓はバクバクしてるし、なぜか胸が苦しかった。 なんなの……これは。 これじゃあまるで、久間君のことが好きみたいじゃん。 ううん、もう考えないようにしよう。 昨日奏太から久間君のことを聞いちゃったから、変に意識してるだけだよ。 大きく息を吸い込み、ゆっくり吐き出す。 意を決してトイレから出ると、教室に戻って何事もなかったかのように席に着いた。