困った。
どうしたら帰れるんだろう。

おばあちゃんのいる病院に行かなきゃいけないのに。




おばあちゃん・・・。
大丈夫かな。
お医者さんは心配ないって言っていたけど。



「やっぱり、私のせいだよね・・・」




大切なものはすべて消えてしまう。
ズキン。
胸が音を立てて痛んだ。




さああっと風が靡いて、髪を浚っていく。
こんな澄んだ風、初めて―――――・・・。




振り向いた先、そこに見たもの。
それは、この場所に似つかわしくない木を組み合わせて作った牢屋のようなもの。



誰をとらえているのだろう。
というより、こんなものあっていいの?



ここは、一体どこなんだろう・・・。