「俺、子供の頃から一人でよくカード遊びとかしてたんだよねぇ。でまぁ、こんな事とか出来ちゃったり?」


と全く悪びれる素振りもなく、私の目の前でマジシャンさながらのカードさばきを見せてくれる。








………………


へぇ………プロみたい


って感心してる場合じゃないわよ。


「それで?さっきのロイヤルストレートフラッシュも?」


「まぁね、ちょこっと仕掛けておいたから楽勝だよ。」


「騙したの?」


「騙すって人聞き悪いなぁ。作戦のうちですよ、これも。嫌だったら本当に殴ってでも抵抗すれば良かったのに。俺のキス、受け入れてくれたじゃん。」


うっ……


た、確かについ受け入れてしまったけれど……。


しかし、悪びれることも無くよくも言ってくれるわよね。


ほんと、呆れるよ。


呆れて言葉を無くしていると


「さてと、俺帰ります。」


と、急に立ち上がった。


「えっ、帰るの?」


「何?泊まってって欲しい?」


と、ニヤケ顔で言ってくる。


「そんな事、言ってないでしょっ。」


「沙紀さん、直ぐムキになって可愛い。」


「歳上に可愛いは止めなさいよ……。」


「だって本当に可愛いもん。だからこのままここにいると俺、抑え効かなくて押し倒すかも。」












「とっとと、帰りなさいぃ〜。」


ああぁ、もぉ〜


完全に遊ばれてるよね私。