「高野、わかりやすすぎ。大石さんも、まんざらじゃないって感じだね」



「……うん」



知らなかった。


好きな子には、こんなに積極的になるだなんて。


ニコニコ笑ったり、時には照れくさそうにはにかんだり、頬を赤らめたりする高野くん。


誰がどう見ても、大石さんを狙ってるってバレバレ。


一年生の時から片想いしてるんだもんね……。


杏子の言う通り、高野くんってすごくわかりやすい。


それだけ大石さんに夢中ってことなんだ。


いい雰囲気だし、二人はこのまま付き合っちゃうのかな?


ううん、すでにもう付き合ってたりするのかも。


そうじゃないとしても、これじゃ時間の問題だ。


そんなことを思うと、胸が苦しくて張り裂けそうになった。



「あいつ、わかりやすいだろ?」



前に座るキヨ君が振り返ってわたしに言う。


あれから、何かと絡むことが多くなって時々こうやって話しかけられる。


わたしが高野くんを好きだって知ってるくせに、キヨ君にはデリカシーってものがないのかな。


普通、気を遣って触れないようにするんじゃないの?


まぁ、そんな気遣いができないのがキヨ君らしいけど。