「じゃー放課後。」

「んー。」

そう言ってあたしのクラスの前で別れる。

太心の後ろ姿に向かって思いっきりあっかんべーをする。

これも毎日の日課になっている。

それてクラスにはいるやいなや、

「颯希ー!おっはよー!」

ガシッと抱きついてくるのは、あたしの親友の橋爪美心(ハシヅメミク)。美心は、とにかく美人で、しっかりしてるけど、明るくて、頼れるタイプ。

「おはよー、美心。」

「ね、颯希。今日の数学の課題わかった?」

「うん。簡単じゃん。」

「えー?最後の問題めっちゃ難しかったんだけど...。」

「見せてー。」

「これこれ、この問題。」

「それは、ちょっと頭使ったら解けるよ。ほらここをこーしてー...。」

そして、教えることわずか1分。

「そっか。ありがと、颯希。」

「美心はもとから頭良いんだから、すぐ理解してくれて、楽だわー。太心と違って。」

「浅野君?」

「そー。あいつバカなんだよね。学年トップのあたしが教えても、分かってくんないんだよね~。あれはどうしたもんだか。」

「あ。今、学年トップってことひそかに自慢したでしょ。」