『高野くんへ
大事な話があるので
放課後体育館裏に来てください。
よろしくお願いします!
二年一組 鈴峰 花梨』
ラブレターを書こうとしてみたものの、結局うまく文章がまとまらなくて。
手紙には時間と場所だけ指定して、想いは直接口で伝えることにした。
手紙を靴箱に入れるということだけでも、一大事。
こんなんでほんとに伝えられるのかな。
「うー……き、緊張するぅ」
人がいないとわかっていても、キョロキョロと周りを確認しなきゃ居ても立ってもいられない。
心臓がありえないほどに、ドッドッと激しく脈打っている。
たしか……高野くんは二年二組だ。
クラスが違う高野くんの二組の靴箱の前までくると、さらに緊張感が増した。
ゴクッと唾を呑み込み、意を決して靴箱を探す。
「た、高野……高野……高野」
上から順に靴箱の名札を確認して名前を探した。
園田……
高木……
高野……!
「あ、あった!」