あたしはその瞳に逆らうことができず、素直にその理由を告げてしまった。 あぁ、もうこれは完全に引かれたよね。 だってその証拠に五十嵐くんは、少し目を見開いて固まってるんだもん。 本当に、本当にきっとこれが最初で最後の五十嵐くんの笑顔。 この一日で五十嵐くんのいろんな表情が見れたんだから、贅沢は言っちゃダメだよね。 「俺だって、笑うよ」 そう思ったのに、彼はあたしの前で本日二度目の、笑顔を見せてくれたのだ。