「はぁ〜、本当分かってないわぁ、陽向は!」
「え?」
分かってないって、何を……?
「それね、安堂くん、陽向のこと狙ってるよ、絶対!」
「ね、ね、狙ってる?」
私に限って、そんなはずないよ……。
だって、今朝見たんだ。
登校する安堂くんの周りを取り囲んでいる大勢の女子達を。
みんな美人で、可愛くて。
私なんか、その輪に近づくことさえできないくらい、別次元みたいにみんなキラキラしてた。
私は、安堂くんに友達になってもらえただけでも、感謝しなきゃいけないのに。
「ま、これからが楽しみ!」
そう言って、ニヤニヤと意味深に笑うなっちゃん。
楽しみって、何が?
ハテナマークに頭上を覆われ、私は首を傾げた。