「顔上げたら、僕達が誰だかバレるよ。説教とか面倒だし、僕は君と話がしたいし。逃げよう」 そう、耳元で囁くように言う。 そのまま私の手をとって、階段へ駆け出す。 先生の静止の声も聞かずに、私達は静かな校内を走り回った。