安堂くんのかっこよさと恥ずかしさに、我慢ができなくなって顔を逸らすと、




「そういうことだから。

じゃあ、また明日ね」




不意に私の顔の横にあった手が離れて、安堂くんが歩いていく。




な、な、なんだったの?


今の……。




ひらひらと手を振るその後ろ姿を、見えなくなるまで、私はぼーっとしたまま見つめていた。




なんで……こんなにドキドキしてるの?




なんで……こんなにも胸がいっぱいいっぱいなの?




心臓はバクバクと音を立てて、しばらく静まることを知らなかった。