だって…

分かるんだもん、その気持ち




好きだからこそ、臆病になって…

伝えたいのに、伝えられない…



それでも、‘好き’という気持ちは
膨らむばかりで…




「…好きだから…、
 今を大切にしたいって気持ち…

 分かるから…」



少し話しただけで嬉しくて…

ちょっとした幸せが、
かけがえのないものだってこと



それは、

あなたが教えてくれたこと



「…私…、」


今なら、この気持ち…

伝えられる気がする




「…私、一之瀬くんのことが…」



だけど

そこまで言って、私は口を紡ぐ





「…やっぱり、なんでもないっ」



ニコッと笑って
一之瀬くんを見上げる



分かったから…


告白することが、
大切なんじゃないって



私は決めたから

あなたの恋を、応援するって…