「千佳、今日私の家においで」


ふいに、思い付いたように
彩花ちゃんが口を開く


「…いいの…?」



「うんっ、

 今日作った私たちのパウンドケーキ
 食べ比べしよっ」



ニコッと笑って
私の顔を見つめる彩花ちゃん



私を、元気づけてくれてるんだ…

そんな心遣いに
胸の奥が、あったかくなるのを感じながら 



「じゃ、お言葉に
 甘えちゃってもいいかな…?」



ふふっと、微笑んで
そう答える



「よしっ、そうと決まれば
 さっさと帰ろっか」


嬉しそうに笑ってカバンを手に取ると
ドアのほうへ向かう彩花ちゃん




「待って~」



私も、カバンをとって
彩花ちゃんのあとを追いかけた