「ふがって!あ-もう、りっちゃん可愛い過ぎる!」


「ぎゃー!!」



鼻を離して貰えたと思ったら、次はフェロモン男からの抱き着き攻撃。



「やめてよ、馬鹿!」


「グハッ!……良いパンチ持ってるね、りっちゃん」



すかさず腹部に拳を入れると、フェロモン男はヨロけて一歩後ろへと下がった。


その隙に素早く離れる。




──フェロモン男。


コイツは要注意人物だ。


コイツを見るたび危険センサーがけたたましく鳴っている。


近寄るべからず。


という訳で、無視無視。







「……お前、マジ肝据わってんな」


「は?」



一歩前を歩いている失礼男について歩いていると、隣に並んだ爆笑男がククッと肩を揺らして笑い出した。



「それ俺も思った。普通こんなとこに来たらビビるよな」



同じく左隣に並んだフェロモン男が不思議そうにあたしの顔を覗き込む。



「お前、もしかしてこういうとこ来た事あんの?」


「えっ!?」



突然爆笑男から投げ掛けられた言葉に思わず素っ頓狂な声を出してしまったあたし。


馬鹿。これじゃあ肯定してるのと同じじゃない!



「……マジで?」



ホラ。


馬鹿正直に反応したあたしを見て爆笑男が大きく目を見開かせている。