「うん。普段使ってない部屋がたくさんあるからさ。部屋荒らされてても気づかねぇの。3日ぶりぐらいに入った部屋がすごいことになってて……『あ、泥棒にやられた』みたいな」


「ええっ! マジですか? それめちゃくちゃ怖いんですけどぉ」


両腕を擦って本当に怖そうなジェスチャーをしているケイちゃんにカジ君はクスって笑った。


「今は大丈夫だって。あれ以来、ちゃんとセキュリティーつけてるから。うちに忍び込むのは結構大変だと思うよ?」


「なるほど。さすが金持ち」


ケイちゃんはうんうんと頷いていた。


あたし達は、カジ君の部屋に入った。


昨日と何一つ変わっていない……


そう思ったその時、何か違和感を感じた。


「あれ?」


あたしは机に近づく。


「カレンダーは?」


昨日は確かにあったはずの卓上カレンダー。

パソコンの横に置いてあったそれが今は見当たらない。