その言葉に驚いて、あたしも外を見た。

そこには、今まさに話題の中心人物であるミサコ先輩が、窓際の席にいるあたし達に手を振っていた。



ミサコ先輩はあたし達のテーブルにやってくると、当たり前のように、あたしの隣に座った。

ちなみに、メンバーではないものの、いつもあたしと一緒にいるせいか、ケイちゃんもサークルのメンバーとは、いつの間にか仲良くなってた。

だからミサコ先輩もごく自然にこの席にやってきたんだと思う。


「良かった~。ここにくれば、ナギちゃんに会えるような気がしたんだぁ」


そんなことを楽しそうに言っているミサコ先輩の横顔をまじまじと見た。

ミサコ先輩というのは、不思議なオーラを持ってる人だと思う。

美人なんだけど……。

なんていうか色気みたいなものはあまりない。

目鼻立ちのはっきりした顔立ちにショートカットが良く似合っている。

いつもパンツスタイルで、スカートなんてはいているところ、見たことない。

例えて言うなら……宝塚の男役が似合いそう。

そんな感じなのだ。

実際、男性よりも女性にモテる……とか言ってたな。


って!

やっぱそうなの?

そっちの気があるの?

キスしたのはミサコ先輩?

……の線が濃厚になりそう。

ううっ。


あたしはまたストロベリーフラッペをスプーンに山盛りすくって口に入れた。

頭がキンキンする。

いたた……。

色んな意味で痛くて、頭を抱えた。



「そうだ……」


ミサコ先輩が何かを思い出したかのように鞄をゴソゴソと探りだす。