「ははは。んなわけない」


うんうんとひとりで頷いて納得する。


そうだ。

夢だよ。

きっと寝ぼけて夢みてたんだ。


「妄想……妄想……」


ブツブツ呟く。

そう妄想……。

もっ……。

もう一回寝よっと。


ベッドに横になると、タオルケットを頭からかぶった。



――カチカチカチ……


静かな部屋に壁掛け時計の音が響く……。


――カチカチカチ……


「――って、寝れるわけないし!」


またガバッと起き上がる。


カジ君……あたしにキスしたのかな。


「ああああああ」


わけわかんない!

とりあえず頭を冷やそうと、部屋を出た。