震える声で言ったツルさんが、ぽろりと涙を溢したのを見て、あたしも思わず泣き出してしまった。






「ごめん、ごめんねツルさん………」





「百合ちゃんに何かあったら、親御さんに申し訳が立たないよ………」






70年後の世界にいるはずの母親の顔が浮かんだ。





喧嘩ばっかりしてたけど………



あたしのこと、娘じゃないって言ってたけど………





急にいなくなったあたしのこと、心配、してくれてるかな。





あたしはもう、あの時代には帰れないんだろうか。





最近はこっちの時代のことで頭がいっぱいで、生き抜くことに精一杯で、帰りたいと考えることも少なくなっていた。




でも、母親のことを思い出すと、急に、無性に懐かしくなった。




今頃、どうしてるんだろう。





あたしを一人で産み育ててくれた母親。



あたしのために泣いてくれるツルさん。



あたしを命がけで助けてくれた彰。





頭がぐちゃぐちゃになりそうだ。




未来に帰りたいのか、ここに残りたいのか、自分でもよく分からなかった。