「兄から」


「兄?...あの変な?」


「うん。あのクッキーには素直薬っていう薬が入ってて」


「素直薬?」


「うん。心の声が出てくるっていう」


「心の声?」


「うん」


「なんでそんなもん、お前に?」


「えっ。ちょ、ちょっと待って!」


薬の効果が出てきたっていうことはさっきの

『誰からもらったんだよ!』は心の声。やきもち?


「なんで顔赤くしてんだよ」


どうしよう。嬉しすぎる。

でもどうして泣いてたんだろう。



「彰、なんで泣いてたの?」


「は?」


「だってさっき泣いてたじゃん」


「知らねぇよ」


『なんで目逸らすんだよっ!』
彰の言葉を思い出す。

もしかして...


「私が彰のこと好きじゃないと思ったの?」


ずっと目逸らしてたから。


「ち、ちげぇよっ!」


顔を赤くする彰。
なんだ不安だったから泣いてたんだ。



私は起き上がり彰に抱きついた。
どうしてもそうしたかった。


「ちょ、お前どうしたんだよっ」


「私は彰のこと好きだよ!」


「え...俺もだよ...

つうか好きに決まってんだろ俺が告白したんだから」


「そうだよね」


私の頭にポンと手がおかれた。
別に撫でるわけじゃないけど彰の優しさを感じた。



「大好きだよ」


心の声が素直に出てしまった。


「あんまそんなこと言うんじゃねぇよ。

我慢がきかなくなるから。


つうかもう無理...」


「えっ...ちょ...ちょっ...んっん___」


まだ薬が効いてるようです。