ケータイ小説 野いちご

俺、お前に惚れてんだけど。



あたしには、子どもっぽい奏太のどこがいいのかわからないけれど。


杏も真美も、奏太のことをどこぞのアイドルと勘違いしてるんじゃないかってくらい騒ぎ立てる。



杏いわく『クリクリおめめの奥に見える瞳が、素朴で母性本能をくすぐる』んだそうだ。



確かに、同じ母親から生まれたと思えないほど可愛らしいアイドル顔をしているからわからなくもないけど。


それでも、あたしにはガキにしか見えない。



「春休み中だったらヒマだと思うから、遊びに来てよ」



会いたい会いたいと連呼する杏に、あたしは苦笑いを浮かべる。




「いいの?まぁ、断られてももちろん行くけど」



「もちろん」



こんな些細なやり取りも、もう今までみたいに出来なくなっちゃうのか。


そう思うと本当に寂しいけど、春休みの間にたくさん思い出を作っておきたい。



そしたらまた、新しいところでも頑張れる気がするんだ。



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