「ごめん。傷付けてごめん」


独り言のつもりだった。


けれど聞こえた愛しい声。


「それ、私に謝ってるんですか?」


ドアの向こうに居るのが分かる。


「翼、私ね好きなんだよ。どう仕様も無いくらいに翼が好きなんだよ」


震えている遥の声。


きっと今にも泣きそうなんだろう。