〝好き〟なんて言えない。 あなたにだけは、言えない。 だけどそれでも〝好き〟だから。 だから私は、あなたの傷を塞ぐ者になりたい。 その傷を癒して、もうズキズキと痛まないように。 いつか、思い出にできるように。 そうやって、前へと進んでみせるわ。 笑ってあなたの隣に立てる人になるわ。 「頑張って、焼いてみるわね」 「やったー!」 私の傷はもう、きっと塞がっている。 fin.