ここは、最後くらい……1個上の先輩らしくいくか。



──『チュッ』



 葵のほっぺたにオレからキスをしてあげる。



「じゃあ行くよ、葵」



【龍一……ありがとう。もし、何か携帯で困ったことがあったらわたしに相談してほしいな。わたしが龍一を……】



──『守るから』



「ああ、頼りにしてる。テスト頑張れよ、葵」


「うん!」



 少しだけ喋るようになった葵。

 
 オレは、振り返らず走った。




 必ず生き延びる事を胸に誓って。