雷也がいれてくれたブラックコーヒーがオレの中の焦りを鎮める。 


 少しだけ冷静さを取り戻してオレは『決心』した。


「なぁ」


 オレは愛梨に話しかける。


「……なぁに?」


 愛梨がオレの目を凝視する。考えている事が、見透かされそうだ。


「やろうよ」



「えっ?!」



「だから、やろうよ」



「な、何言ってるの龍ちゃん、あたし雷也の彼女だよ!?」



 なぜか変な風に受け止められ、オレも驚いた。


「バ、バカ、そういうのじゃねぇ。参加しよう。『モバイバル本戦』にさ」


「あ、うん……もう、主語入れて話ししてよ! ビックリした…」


 愛梨は胸を撫で下ろす。


 オレも胸がドキドキした、雷也の前なのに。
 

「二人共、なんでくだらない事言い合ってるの」