樹side…
じぃちゃんから言われて親父に連絡すれば、手が離せないと断られた。
途中から、じぃちゃんと親父の会話を聞いてたけど、るーって誰だ?
「じぃちゃん」
「なんだ?」
「るーって誰?」
「樹はるーを知らなかったのか。
じぃの昔からの友人だよ」
珍しく目尻が下がるじぃちゃんは、そのるーって言う人と仲が良いことが伺えた。
「へぇ。じぃちゃんと仲が良いって事は、こっちの世界の子?」
「いや、るーはこっちの世界に限らず、色んな世界に顔が効く子だよ」
……は?
色んな世界に顔が効くって……
そんな事あり得るのか?
「樹、あり得ないと思ってるだろ?」
「あぁ」
「それが、るーにはあり得るんだよ。
るーを敵に回すと色んな大御所が出てくるぞ?」
「マジで?」
「あぁ、ほんとだよ」
るーって子に会ったら、気をつけないとと思わずには居られなかった。
ただ、俺はじぃちゃんが言う、るーと既に出会っていたんだけど……
それを知るのは、もう少し後の話……
樹side end…