「好きって言ってよ。俺だけに聞こえる声で」 「・・・っ!」 あいつの甘い声とその近さに心臓が飛び出るかと思った。 そんな声で言われたら、逃げることなんかできないじゃん。 でも、 「・・・嫌いじゃない」 恥ずかしさしかない今のあたしにはこの言葉が精一杯の表現で 「まぁ、いっか」 とあいつは優しく微笑んでくれた。