重苦しい雰囲気が漂う


それを壊してくれたのは


「――……お前ら、辛気臭い空気を醸し出してんじゃねぇよ」


……星夜


黒髪のウィッグとメガネを外し、白に先が黒色がかった髪質が現れる


灰色の瞳がここにいる一人一人の顔を見た


「居場所をなくしたなら作ればいい。 高岸に居場所を俺らが作ろうか」


「でも……」


「……そこに入るのは高岸次第だ。 疑心から信用を得るには時間がかかるだろうが気を長くして待とう」


「……って事は、するんか?」


颯一の言いたい事はわかった


「その予定だったが、一回断られたし。 もう一度聞いてみる。 どうだ?」


星夜は無理強いをするのもされるのも嫌がる


だから、


「あたし、賛成です」


翼ちゃんが心穏やかに慣れる場所を作りたい


「僕もだよ」


「星夜の言葉は絶対や。 断ると思うたか?」


「俺らは星夜の後ろにつくんだからね」


星夜は小さく笑って「ありがとう」と言った




side end.