目の前のストロベリーフラッペをシャクシャクとまぜる。

きっとあたしは今、このフラッペみたいに真っ赤になってると思う。


「なに~? 誰にキスされたかわからないだと?」


「ちょ……声大きいって!」


目の前にいる友達、ケイちゃんの口を慌てて塞いだ。

だけど時既に遅し……


周りにいたお客さん達がこちらをジロジロと見ている。


すみません……と首をすくめて、ペコリと頭を下げた。


あたし達が今いるのは、

カフェ“マシェリ”。


うちの大学に近い、このカフェは、サークルのメンバーの溜まり場になっている。

夏休みも折り返し地点に差し掛かろうとしているその日、あたしはケイちゃんをここに呼び出したのだ。

ある相談をするために……。



周囲をキョロキョロと見渡した。

知った顔がいないことにとりあえずホッとする。

ちなみに、ケイちゃんは同じ大学だけど、サークルのメンバーではない。



「ナギ~! つまりどういうことなわけ? 説明してよ?」


ケイちゃんがさらに顔を寄せて聞いてくる。



「う……だからさ……」




あたしは昨日の出来事を思い出しつつ、説明を始めた。