私は不快感を感じ、二人から距離をとるようにゆっくりと離れた


「高岸、どないした?」


富田が首を傾げ、新崎はじっと見てくる


「何者、なの?」


と平静を保とうとして睨み付けた


手が汗ばんでいる


「何って、普通の男子高校生やねん」


誤魔化すかのようにヘラリと笑った


「じゃあ、あの"殺気"は何なのよ! 普通の男子高校生が出せるわけないでしょ!!」


雛菊の倉庫にいたときも感じた事があった


「! そ、それはなぁ……」


富田は必死に理由を探そうとしどろもどろしている


「た、高岸、落ち着いて話を聞いてくれ」


焦ったようにみえる新崎が手を伸ばしてきた


「私はいつだって落ち着いてるわ!」


その手から逃れるように後ろに距離を取った


……もうやだ


「……帰る」


「えっ!?」


「高岸!」


二人の声が聞こえてきたけど、全て無視して個室まで走り続けた