「ふーん。そーゆことね。でも、まだ分かんねーよな」



「そうだな」



「まぁ、こんなこと大きくしたことは謝る。もうみんないいだろ？」



今井は教室を見渡してからニコリと笑顔をみせた。



その言葉にみんなは定位置に戻る。



「中宮さん、これからなんかあったら絶対言えよ」



「･･･うん。松本さ、っ」



なんかあったの？と続けようと思ったけど、口を閉じた。



だって、どこか分からない遠くのほうを寂しそうに見つめていたから。



踏み込んじゃいけない、そんな気がした。