「麻紀、祐二くんに何したの?」


「してないし。勝手にこうなってるだけだし」


「すごい体勢だね。軟体動物みたいになってる……」


「祐二って、なぜか体だけは柔らかいんだよね。まあ、頭の中もふにゃふにゃだけどね」



腕を組んだ麻紀は、あきれたように祐二くんを見下ろしている。



「缶ビール一本飲んだだけなのにさ、この状態でぐうぐう寝てるの。あたしのことはほったらかし」



怒ってるような、悲しそうな、そんな麻紀の横顔。


自分は流川と温泉に入って仲良く?してたから、とっさには何の言葉もかけれずにいると、



「疲れたんだろ。昨日だってオレらと違って仕事してきたんだろうし。今日も運転しっぱなしだったからな」



流川がナイスフォローを入れてくれた。



「そ、そうだねっ。みんなで順番に代わってあげればよかったねっ」



私も便乗する。