「中宮が大好きな数学の先生、山下先生だよ」 「・・・」 クスクスと笑うクラスのみんなとは反対に真顔で一点を見つめるあたし。 ・・・やってしまった。 「そんな、中宮にはとっておきのプレゼントをあげようではないか」 今にもスキップしてしまいそうな先生の軽やかな足取りに顔が真っ青になっていくのが分かる。 「数学が大好きな君なら分かるよな?」 ニッコリと笑う先生の指差す方向を二度見してしまった。