「そろそろメシだな」


「うん。お腹すいたー」


「さっきまであんなトロンとした顔してたくせに腹は減ったのか、ちゃんと」


「///っ、る、流川のせいで体力使ったからだもんっ」


「ふっ」



窓をしめて、浴衣に着替える。



「行くぞ」


「待って。帯がうまくいかない」


「行ってるぞー」


「あ、待ってってば」



急いで流川の後を追いかける。


部屋のドアを閉める直前、ふと窓の外に向けた目に映ったのは……私の姿? それとも……。



「ほら、早くしろって」



腹ペコの流川に腕を引かれて。


その時は、あの影がなんだったのか、考える間もなくすぐに忘れていたんだ。





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※仲居さんの恋バナについては、『レンタルな関係。番外編』をご覧ください。