「大丈夫か?お嬢さん、気ィ失ってたんだ。覚えてるか?」

隣から少し低い、けれどふわりと優しい声が聞こえた

その声の主や私をおぶってくれている人、他に何人か居るみたいだか視界がぼやけて、さらに真夜中の暗闇のせいで顔がよく見えない。

「あの...皆さんが...助けてくださったんですか?」

「まあね!」

「あ、ありがとうございます...本当に、助かりました。あの...ところで私は...?」

男の人たちの足が止まる。

目の前には建物。

「ここは新撰組の屯所。まあ、詳しいことはまた後でね。まずはその綺麗な脚の痛々しい傷を手当しないと」

そう言って私をおぶったまま建物に入って行く

「...え?あの...?」