「お待たせ、祐くん。」

「あぁ。全然待ってないよ。どこ行きたい?」

そういう質問困るんだけどな…。
最終的にいつも、

「どこでもいいよ。」

って答えになる。そして、祐くんはいつも眉を少し下げて笑う。
典型的なパターン。

「んー。家…来る?誰も居ない。」

あぁ、そういうこと。全然好きじゃ無いんだけどなぁ。それでも。

「分かった。」

なぜかこの人の言うことには否定出来ない。



「お邪魔します。」

「突き当りの右の部屋、俺の部屋だから。てきとーに座っといて。」
「うん」

広いなぁ。突き当りって、すごい遠くに見えるんだが…。