笑いながら席につくと、昔から友達が多くて情報通の奥田が、「ちっちっちっ」と人差し指を立てて振った。






「なんだよ? 奥田」





「いや、俺さぁ、聞いちゃったんだよね」





「は? なんだよ、何の話?」





「五十嵐のハナシ!!」






奥田が俺を見てにやりと笑った。




なんのことだか分からなくて、俺は「?」と首を傾げる。





そこに店員が注文を取りに来たので、俺はとりあえず生ビールを頼んだ。






「なんだよ、五十嵐がどうかしたのか?」





「いや、俺のダチでさ、五十嵐の会社と取り引きあるとこに勤めてるやつがいて」





「へ〜、世間は狭いなぁ」





「だろ?で、そいつから聞いたんだけど」





「うんうん」





「五十嵐って、課長なんだぞ!!」