──つまり、私は頼りなく見えるということなの……?






少し険悪な空気が流れる中、しっかりとした所を周翼に見せつけたくて拾い集めた部費の金額を物凄い早さで数え始め、確かめている掬恵。






「どうしよう!100円が足りない……」







困っている掬恵の表情を見ている周翼。








「──どうしたの……?」






「部費があと100円、足りないの……」






白いウサギを抱き抱えたまま落ち着いて辺りを見渡す周翼。






周翼が掬恵の靴底の辺りでキラリと光る物を発見する。






「吉井さん、少し足を上げて……?」







「えっ、足!?」






戸惑いながら足を少しずつ上へあげる掬恵。








すると、100玉硬貨が顔を出した。








「あったー!100円玉!!」





嬉しそうな顔をして見つけた100円を缶へ戻し、直ぐに蓋をする掬恵。






「よしっ、これでオッケー!」