他の32人のクラスメイトは傍観者だ。


4人があたしに何をしようと『やめなよ』と口にする人はいない。


知らぬ存ぜぬを決め込んでみてみぬふりをする。


あたしがいじめられている間は、自分に火の粉が降り注ぐことはないと安心しているんだろう。


4人が見ていないところでだけ『新村さん、さっき大丈夫だった?石川さん達もひどいよね』と声をかけてくる子もいた。


だけど、いざとなるとすがるように彼女に視線を向けたあたしとは目を合わせようとはしなかった。


残りの1人……ミチルちゃんだけはイジメの加害者でも傍観者でもなかった。


いつだって中立的な立場をとるミチルちゃん。


愛海達に対しての態度も、あたしへの態度も同じ。


いつからかまともに会話をかわせるのは、クラスの中でミチルちゃんだけになっていた。