みんな物や制服を『弁償して!!』と目を吊し上げていたのに、ミチルちゃんだけは違った。


『あたしはほとんどかかってないからクリーニング代もいりません』


ミチルちゃんは先生にハッキリそう言った。


その言葉が、あたしは涙が出そうなほど嬉しかった。


みんなに敵対視されて嫌われているあたしにとって、ミチルちゃんだけが救いだった。


「ミチルちゃん……ありがとう」


「えっ?なんで楓子ちゃんがお礼を言うの?」


不思議そうに首を傾げるミチルちゃんにあたしは心の中でもう一度お礼を言った。