ケータイ小説 野いちご

君だけに、そっとI love you.




――放課後――





クラスの皆は学校の鐘と共に教室を飛び出て行く。





まるで、運動会の徒競走の時のようだ。






掬恵と周翼の二人がまた教室にポツンと取り残され、大きな教室の窓からは薄いオレンジ色の夕日の光が差し込んでいる。





机の中から教科書を何冊かまとめて取り出し、鞄の中へ一生懸命に積めている二人。







私達はクラスで目立たないどころか、マイペースでしかも行動がゆっくりだ。







誰にも迷惑をかけていないつもりだが、どうやらこの性格が皆をイラつかせているらしい。






立ち上がって鞄を肩に掛け、小さなあくびを一つする掬恵。






──あぁ、眠い~~。






家に帰って自分の部屋に辿り着いたら、速攻布団の中に潜り込んで寝よう!





すると準備が整った周翼が「行こうか……」と掬恵の細い腕首を軽く握った。




< 32/ 268 >