「可愛くしてくれて……ありがとう……」


本当は泣きたいのに、口元にひきつった笑いが浮かぶ。


この笑みはきっと、自分を守ろうとする防衛本能なのかもしれない。


「どういたしまして。何か嬉しそうだしまたやってあげるわ。もう用ないし、さっさとどっかいって」


愛海はそう言うと、シッシとあたしを追い払う仕草を見せた。


体が鉛のように重たい。


あたしは重たい体を引きずるように自分の席に座ると、机に伏せて顔を隠した。