すえたような酸っぱい匂いとかび臭さが鼻に届き、吐き気が込み上げる。 思わず「うっ!」と顔を歪めて声を漏らすと、愛海は髪から手を離してスッと立ち上がった。 よかった……。 愛海の気が済んだのかとホッと胸を撫で下ろした時、あたしの頭は何かによって踏みつけられた。 「アンタさ、あたし達のことナメてんの?」 「ちがっ……」 愛海はあたしの頭を上履きでグリグリと踏みつける。