「隆太郎……!」



もう泣いていいよね。

電車は遥か遠く、到底見えないから。



「……っう」



好き……大好き。

そんな、どうしようもない想いが胸から溢れ出す。



「……ぁ、……っうぅ」



いつか、このつらい別れが思い出になるのかな。

笑って話せるときが来るのかな。



そのとき、私はまた誰かを好きになっているだろうか。

その人を隆太郎以上に愛せているだろうか。



未来の隆太郎の隣には優しい誰かがいて、隆太郎の夢を支えているんだろうか


──そんなことを考えて、また胸が痛んだ。





もうすぐ桜が咲く。

桜が満開になる頃──私の隣に君はいない。