「今日はだな、お年玉の前借りをしてきたからこれでドラムショップの超年末セールにだな」


私と先輩は吹奏楽部の打楽器、つまりはパーカッションパートに所属している。

先輩はドラムがとても上手くて、来年にはプロミュージシャン育成系の専門学校に進学する予定らしい。


ドラムショップはパーカッションが沢山売ってるお店で、大晦日から年明けする0時まで「超年末セール」というものをやってる。


「バスドラムを買いに行くからついて来い。君の母親には説明済みだ」

「私が荷物持ちになる事ですか」

「いや、年越しデートって話してある」


先輩がさらっととんでもない事を言うから私は顔が瞬時に真っ赤になった。


「ふっ、ふざけないでください!」

「じゃあ、行かないの?」

「行きますけど!」