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「……ン………ャン…………ジャン!」
目が覚める。
どうやらまた眠っていたらしい。
「…エレ…ン…?」
「お前...本当おかしいぞ?」
おかしい?何が?…俺が?
ってか何があったんだ?
確か俺は…………
「…あれ…?俺...何してたんだっけ…?」
「…は?」
思い出せない、何故だ?
さっきのことだろ?
...さっき?
...さっきっていつだ?
いつからここにいる?
なんでここにいる?
何の為に?
分からない分からないわからないわからないわかラないわからナいわカらなイワからナイわカラなイワカラなイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ…

「ジャン!!!」
「っ!」
気付けば汗だくになっていた。
呼吸も荒くなっている。
周りを見渡せば木の陰に寝かされていた。
...あぁ、そうだ。
急に足が動かなくなって…
そこで意識が…
「ジャン!大丈夫かい?」
声がした方を見ると
違う班にいたはずのマルコが
心配そうな顔で覗いていた。
「マルコ…?なんで…?」
「ジャンが倒れたってエレンから聞いて
急いで駆け付けてきたんだ」
マルコがいるのと反対方向を見ると、
エレンが木に凭れて
こちらをチラチラと見ている。
気にしてくれてるようだ。
「エレン…ありがとう…」
「…(プイ)」
俺が微かに笑いかけると
エレンは目を逸らした。

「マルコもありがとな、
心配かけてすまん。
もう…大丈夫だ」
起き上がろうとすると頭に激痛が走る。
「っ…」
痛みを必死に堪え、体を起こす。
エレンはどうしたらいいのかとうろたえ、
マルコは体を支えてくれた。
まだ頭痛は治まらないが…
...大丈夫、何とかなりそうだ。
「ありがとう…もう歩ける」
「ジャン、君は戻った方がいいんじゃ…」
「大丈夫だ」
「でも…」
「大丈夫だって言ってんだろ!俺は…!」
―行かなきゃ―
...何処に?
...なんで…
分からないことだらけなんだよ…
俺は…一体…
「なんなんだ…?」
***