友達からの問い掛けにも興味がない、と偽って。



本当は私も同じだった。

告白しては玉砕していくあの子達と。

屈託ない笑顔に惹かれて、包み込むような優しさに目が眩んでた。



だけど私がそれを伝えれば関係が崩れる気がして。

想いを告げることはない。

そう、思ってたのに。



「恋話ターイム!」



そんな声が響いたのは、1年の6月、生徒同士の仲を深める目的で行われたキャンプの夜だった。

男子も女子もいて盛り上がる中、私は笑えなかった。



昔から自分のそういう話をするのは苦手だった。

好きな男の子がいても、その想いを本人はおろか周りの友達にすら打ち明けていなかったくらいなのに。



「んじゃ、端っこから行こうぜ!まず佐伯ー」

「え、俺かよー」