今度は私の髪をまじまじと見てくる隆太郎。

その視線に耐えられなくて話を変えようと口を開くけど、



「りゅっ──」

「これ、自分でやったの?」

「これって……編み込み?」

「うん」



隆太郎の質問に首を振る。



「友達がやってくれたの。今朝いたでしょ、智也くんを教室に連れて行った」

「……あぁ。中々巧く出来てんじゃん」



氷の入ったグラスを呷る隆太郎を前に、記憶の引き出しが開く。



「もしかして隆太郎も、美容師になる夢叶えたの?」

「まぁな」



何でもないことのように頷く隆太郎に肩を落とす。

なんでそれ、先に言ってくれないかな!



「昨日スーツだったから、てっきり違う職に就いたのかと……」

「バッカ、俺がそんな簡単に諦めるかよ」