せっかくだから、あのまま朝を迎えてもいいと思ったんだけど。


変なところで真面目な凌牙の「戻った方がいい」という一言で、余韻もそこそこに、あたしは一人でしずしず部屋に帰ったのだ。



凌牙は意外と、几帳面で神経質なところがある。


きっと、2人だけで住んでるわけじゃない家で、こういうのは……という気持ちがあるんだと思う。


そう言う考え方、嫌いじゃない。




幸せなあたしの気持ちとは対照的に。



「ああ」


なんら、いつも通りの返事と変わらない凌牙。




……低血圧のせい?


それとも、少しは恥じらいを持ってたりする?