夜の街で有名な後楽町。
そこはとても怖い噂の絶えない街だった。
雛乃高校1年の二富 梨華。
私の家庭は崩壊していた。
父親は表の顔ではとても優しい父を演じる。
しかし、誰もいなくなると私たち姉妹に虐待をする。
そんな最低な男。
母親はギャンブルに溺れた女。
虐待を見ていても見て見ぬふり。
私の妹、梨湖は虐待に耐えられず心を閉ざし、
人間不信になってしまった。
もうこんな家族なんていやだ。
いなくなりたい。そんなことを考えていた。
「梨華!!」
父親にそう呼ばれるといつも体が震えてうまく言葉も出せない。
歩くことも怖くて難しい。
そうやっていつも父親に怯えて暮らしていた。
どうして私たちなんだろう…。
なんでこんなことになってしまったんだろう…。
そうやっていつも心で泣く。
泣いたってこんな現実終わることなんてないのに…。
私にとって一日という日は一ヶ月のように長い。
早く終わってほしい…。
ケータイ小説 野いちご
龍蝶~闇に隠された愛~【上・完】
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