「遅くなって、すみません」


まず謝ってから本題を告げた。


「あの……今日は本部に行かなくてもいいですか……」


思った通り、飯田さんは怪訝な顔をする。


「こんにちは!最近優月ってば付き合い悪くて。たまにはあたし達に貸してくれません?」


あたしの腕を取りながら少し拗ねた口調で言う奈央に合わせる。


「友達も大事なので、お願いします」


校門に横付けすることを命ぜられていた飯田さんも、あたしが学校で居づらくないように、少し離れた場所で止めてくれるなど臨機応変に対応してくれた。


だから、あたしが何とか訴えればきっと聞いてくれるはず。


嘘がバレないように、奈央達と仲良しをアピールしながら飯田さんに懇願した。